東京モーターショウから近未来自動車を考える
 まずは写真で感じて見て下さい
あなたは東京モーターショウ- &燃料電池車企画の 番目(up時102,800)です。
本HPの社会奉仕をご評価頂き、ある方のご配慮で特別招待日に拝見しに行くことが出来ました。
その御礼も込めて、今月企画は、写真で見る2007東京モーターショウ報告、そして近未来の自動車
エネルギーは何になるのかを考えて行きたいと思います。尚、下記企画も合わせてご覧下さい。
2009年2月追記
とても嬉しいニュースです。Yahooで「近未来自動車」と検索すると本ページが第2位でヒット
そして第1位は 2007年7月の 近未来自動車の主流は何か がヒットするという大快挙です。
また2009年2月に 近未来自動車の主流を考えるNO3 をUPしましたので是非ご覧下さい。

2007/07月-環境に優しい近未来自動車の主流は何か
2007/06月-日本のSSはどこまで減るのか SS数を大幅に減少させる外的要因
2004/06月-LPG定置式燃料電池のモニター試験開始・写真報告
2003/10月-燃料電池車の実力はどこまで来たか NO3  2002/01月-同 NO2
2001/01月-燃料電池とは何か、21世紀のグローバルエネルギーを考える
2000/10月-エコカーの実力はどこまで来たか  NO1

さすが特別ご招待日

到着早々、コンパニオンの皆様が、私の為にお出迎えしてくれたのかと思ったら、御総裁の
三笠宮ェ仁親王殿下 がご皇覧されるとのことでした。その車には、殿下をご案内する
張 富士夫 日本自動車工業会会長がご乗車されていました。「撮影はご遠慮下さい」等の
アナウンスは一切無く、観客の皆様は、写真を撮っていましたが、宮内庁様、写真をHPに
掲載してもよろしいのでしょうか。後続車には、関係官庁である冬芝国土交通大臣や
甘利経済産業大臣ご一行様もいらっしゃいました。


昔、モーターショウと言えば、それはスポーツカーの祭典でした

モーターショウと言えば、私はどうしても「スポーツカーの祭典」と思ってしまう年代です。
ようやくベールを脱いだ日産のGTR。「スカイライン」という名はいつ無くなったの?」
こんな素朴な疑問を持つのは、S46年式箱スカ(意味の分からない方ご免なさい)が、
初めての愛車だった私だけでしょうか。


それにF1の実物が置いてあるのも何とも言えません。

今回の モーターショウ2007の特徴 それは間違いなく コンパクトカー

今回のモーターショウに行って、まず体感することは、小型車か軽自動車かは別として、
とにかくコンパクトカーが非常に多く、それを前面に出した展示をしているということです。
ダイハツHSCは、小型車なのに観音開き。家族で乗ったときは乗り降りが楽しそうですね。


トヨタのiQコンセプトも小さくてもカッコいいし、日産のMICRA C+Cは、電動でオープンカー
でも価格は200万円代。同じく日産のR.D/BXのようにここまで未来系なデザインでなくても


もう「お金がないから、小型車や軽自動車でいいや」 と我慢して乗る小型車から
「カッコいいし、楽しそうだし、お手ごろな価格だし、燃費も良いのでコンパクトカー・が・いい」
間違いなくそういう時代になっているのだと思います。
ガソリンの絶対需要が、じわーっと減る理由が良く判る気がします。

高級車・大型車も もちろん元気ですが、、、

ベンツF700のツーリングサルーン(大きい!) MAY BACH マイバッハ (大きい!!)

そしてジャガーは想定の範囲内ですが、トレードマークの赤ではなく「青い」フェラーリ 等々

そして知る人ぞ知る超個性派 光岡自動車の 大蛇(おろち)
右下の写真は、Maserti のアピールをする 俳優の細川茂樹?さん

ガソリンをたっぷり使ってくれそうな車も、上記のように勿論沢山あることはありますが、
やはりそれは、ごく一部のニーズであることは間違い無い様です。ちなみに「おろち」の価格は
1200万円とのこと。レクサス600hの価格と比較すれは、むしろお手ごろかもしれません。
でも私見としては買う車ではなく、レンタル等で借りる、超遊び感覚の車なのかもしれません。

燃料電池車はどうなったのか

過去の2003年や2005年のモーターショウは、「燃料電池車への取り組み発表の場」と
言っても過言ではなかったかと思いますが、今年は、かなりトーンダウンしたように思います。
印象に残ったのは、ホンダが来年にも市販すると発表しているのFCXのみです。価格は未定
ですが、売るホンダも、それを買う方も企業も、採算は別とした企業イメージUP費用でしょう。


そしてもう一つ逆の意味で象徴的なのがトヨタです。展示車なし。そして30数ページにも亘る
パンフレットで、燃料電池車に割いたスペースは、たったの4分の1ページ。
当社HPで何度もご紹介している通り、熱も利用出来る定置式と異なり、電気しか利用せず
熱は大気放出をせざるを得ない自動車への利用は、やはりミスマッチなのかもしれません。

しばらく続くハイブリット車全盛時代 それはトヨタにとって、最も好ましい

その燃料電池車と対照的なのがハイブリット車です。それは、もはや「珍しくない」というか
軍団と言ってもよいかもしれません。環境車だけでなく、レクサス600hのような高級車にも、
下左写真のFT−HSの様なスポーツカーにも「ハイブリットにお任せ下さい」と主張しており
それは、「ほぼ全ての車種にハイブリッド車を揃える」との明言にも、トヨタの強い意志が、
現れていると思います。
このハイブリッド技術においては、恐らくトヨタが世界一でしょう。その技術と言っても幅広く
エンジン、モーター、一体成型、システム連動、ブレーキ回生、電気制御、バッテリー等々
のすべてが圧倒的な利益を生む「付加価値」と言えるでしょう。従って、このハイブリッド車
全盛時代が、より長く続く事が、トヨタに取って最も好ましい近未来自動車の姿でしょう。
そして、今後は、ガソリンエンジンによるハイブリッドシステムから、ディーゼルエンジンによる
ハイブリッドへと進化させていけば、世界のトヨタに取って、当面怖いものはないでしょう。

EV車の実力はどこまで来たのか

その王者トヨタが、もし心配する存在があるとすれば、電気自動車なのかもしれません。
それは、トヨタに電気技術が無いという意味ではなく、自動車が、車体とモーターとバッテリー、
電気制御とブレーキ回生技術で作れてしまうので、前述の付加価値を生かせる分野が、
少なくなるという意味です。それは正に蟻程度の存在かもしれませんが「一穴」となりうるか?

では、今回出品されているEV車で既に実用に耐えるのは、三菱自動車の i MiEV でしょう。

電池は、リチウムイオン、総電池容量は20kWh。最高速度130km。
一回のフル充電で走れる航続距離は、10・15モードで160km。
パワーは、ターボ付きの660ccの軽自動車を上回る、47kWと同等以上にも関わらず、
ガソリン車に対して72%もCO2削減 という性能をみれば、環境をアピールしたい企業は、
市販開始後、こぞって導入するのではないかと思います。同社は、既に2009年度中の
発売を名言しましたが、価格は200万円代(300万円は切りたい)とのことでした。

もう一台はスバルのR1eです。最高時速は100km/h、航続距離は、現在は80kmですが
2009年の販売価格は、200万円を切りたいとのことで、iMiVEより安価になりそうです。

そして両社とも、参考出品ながら、既に次の本格普及モデルも発表しています。
三菱は iMiVE SPORT。前輪は、ホイール内に出力20kWのモーターを内臓。(左右)
後輪用モーター47kWと合計87kWの出力で効率的な4WDシステムを実現。
最高時速は180km/hを達成するとともに、効率的なブレーキ回生により、航続距離も
200kmまで伸ばしたようです。そして半分おまけだと思いますが、ルーフには太陽電池、
フロントグリル内には風グルマ?発電機までついています。
一方のスバルは、G4e(右下写真)を発表。その航続距離は、やはり200kmと長距離です。
共通して私が感じたのは、両社が「本気」だったことです。

プラグイン充電機能とそのコスト

上記車種のある意味もう一つの最大の特徴は、プラグイン機能を備えていることです。
その方式は 最低3つ以上あるようです。
最初は、専用の電気スタンドに行けば、15分で80%まで充電出来る高速充電機能。
この場合においてのみ、SS業界のインフラは役に立ちそうです。その供給する電気が、
電力会社から購入した電気ではなく、燃料電池で発電したものなら理想系です。
しかし一般家庭のコンセントでも充電出来るのが正に「プラグイン」です。
200Vなら5時間。100Vでも8時間でフル充電が可能なのです。この時間が長いと感じるか
短いと感じるか。帰って来て駐車場にあるコンセントに繋ぎさえすれば良いので、時間は
問題ないと思います。つなぎ忘れた方は、是非電気スタンドに来て下さい。
一方、駐車場の定位置に止まるだけで、充電を始める電磁誘導充電タイプもあるそうです。
電磁気として空間に放出されてしまうロスもあるので効率は、ある程度落ちでしょう。
気になるその電気コストは、深夜電力を利用すれば、1回の充電料金が約100円。
その航続距離が80kmとすれば、1km当たりり費用は、僅か1.25円ということになります。
同様にガソリンコストを計算してみると、1Lで150円、12km/L走るとすれば、12.5円/km。
よってガソリンと電気では、何と10倍ものコスト差があることになります。
一方車両の価格ですが、プラグインEV車が前述の通り200万円。ほほ同型のガソリン車が
仮に140万円とすれば、その差は60万円。これを燃費の差額で回収するとします。
燃費は10分の1なので、ガソリン代で66万円(電気代なら6万円)となる走行距離を
車&バッテリーの使用可能年数を仮に5年と10年で計算してみることにしましょう。
66万円/5年/12.5円=10,560km   66万円/10年/12.5円= 5,280km
こうしてみると、電気自動車の実力もかなりなものだということが判ります。

このシミュレーションが正しいかは皆様のご判断にお任せします

ここまで書くと、如何にもプラグインEV時代が直ぐそこに来るような印象を持たれたかも
しれませんが、6月や7月企画を書いた時よりは、私はむしろ冷静に考えています。
その理由として、プラグインEVの発売を名言しているのは 三菱自動車とスバル二社のみ。
ボルボも出品していますが、本格的な発売は10年以上先とのこと。トヨタのプリウスは、
プラグインハイブリッドの公道試験の実施まで発表しておりますが、その発売については、
まだ言及していませんし、ホンダは、プラグインについては、全く触れていませんでした。
むしろ、気になったのは、ますますよくなるであろう燃費の方です。
車体が鉄からカーボンになって、車両重量が1/3になり、燃費がプリウスの半分になる。
実際、今の最新型の航空機の軽い機体は、カーボン技術無しに作れないそうなので、
自動車に応用されるのも、それ程、先ではないように思います。
もう一つは、今回のHPでは、あまり触れることの出来なかったディーゼルエンジンです。
A重油の需要減退の対策として軽油の使用量増が石油業界としては、望まれていますが、
ガソリン車を単純にディーゼル車にしただけで、燃費は2−3割改善されるそうなので、
ディーゼルハイブリッド時代が来たら、正に半分になるでしょう。従ってプラグイン時代が
来る来ないにかかわらず、ガソリン需要が大幅に減るのは間違いないように思います。
そして遠い将来には、ガソリンや軽油から税金を取れなくなった政府が、電気自動車に
電気自動車道路利用税を創設したら、電気自動車も一人前と言えるでしょう。

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