東北支援の会  2013年1月報告
 進まない陸前高田の復興。 一市民からの提言のご紹介

本サイトの番目、 東日本大震災累計で 番目お客様です。 
今年も1年よろしくお願いします。さて私が定期的に訪問してきたのは、岩手県の陸前高田と
大船渡と、そして宮城県の気仙沼ですが、新しい年になって感じることは、被災地によって
個々に復興の事情が違って来たことです。
一番、この3か所では、大船渡が何と復興し始めたのに対して、一番遅れているのは
というより 始まってすらいないのは、陸前高田だと思います。
そこで今月は、陸前高田のある方に、本音をお伺いしてみました。
もし あなたが、陸前高田市長だったら、岩手県知事だったら、そして総理大臣だったら
具体的にどう復興を進めるかです。苦言も呈していますので、匿名にしました。

読者の皆様にも、「国が何とかしろ」ではなく、具体的に何をどうしたらいいのか
ご一緒に考えて頂ければ幸いです。         Ver1 1月30日 文責 垣見 裕司

陸前高田 復興への具体的提言 匿名希望 陸前高田市民より
復興は、各自治体、各産業、各企業、各人に問題のあまりにも大きな格差があるため、
総論でこうすべきだと言う解決策がでて来ないと思います。
「小さな事からコツコツと」では、復興のスピードが遅すぎますし、「各自治体に大型資金を」
という話しでも、陸前高田のように能力の少ない自治体では、明確な方向性も示せない
現状であり、失礼ながら、県、市の小役人に復興を託すことは、まず無理と思います。

そこで、ここはまず焦点を絞り込んで、物事を考えて行く必要があると思われます。
まず今仮設住宅などに住む被災者の暮らしの問題をどうするか考えてみます。

陸前高田市のように壊滅な町を例にとるならば、あと2年も無い期間で、その人々の
生活基盤をいかにして作るべきか。

1、住む所の確保
2、資金面や安定した収入はあるのか
3.心のケアができているのか その為には、どう新しい町づくりをするべきなのか。
  町全体の可能なまたは、震災前の実績のあった「産業」は何なのか。
  住民は何を希望しているのか。これをしっかり捉えることが急務です。

行政が復興しやすい行政サイドの案を住民に押し付けるのでは、復興は進みません。
現に陸前高田では、行政案を説明し(しかも、承認させるためのいつもと同じメンバーの
団体代表を集めての説明会。内容も、大手ゼネコンの息のかかったコンサルタントの丸投げ案)
いざ、実行となると地権者や一般市民の理解を得られず、改めての市民への説明会の開催の
繰り返しになっています。

復興に関しですが、私の意見を述べさせていただきます。
今陸前高田市では、海岸沿いに高さ12,5メートルの防波堤が実行されようとしております。
予算的にも多額の国税ですが、私は海沿いの防波堤は3mくらいの消波堤で十分と思います。
今回の津波は高さ15mですから、12.5メートルの堤防の根拠がわかりません。 同規模の津波の
襲来には太刀打ちできません。 その予算を、もう少し内陸地に作り直す国道の復興予算に
回して頂けたらと思います。
(国の国交省と復興省などの官僚の横の繋がり問題が解決することが難しい。)

ある程度の高さを持った道路の施工であれば、いざと言うときの防波堤の役目もしますし、
いずれ作らなければならない、国道ですから毎日利用出来、地域に大いに役立つものです。

今回の震災でも、堤防はズタズタに破壊されましたが、堤防の残骸は阻害のみです。
道路はとても丈夫で震災の復旧にもすぐ利用されました。 幹線道路が決定すれば、支線道路、
そこからの避難兼用の道路もどこにするべきかの支線道路がはっきりすると、町並みのイメージ
ができ、地権者の理解も得やすいはずです。

水産業や農業の方たちもその道路を基点に作業道を要望し、沿線道路が出来るはずです。
まず、水産業、農業が安心出来る場所ではじめることができます。 高台に通じる避難道が
住民の方たちの目に見えると、無理をして山奥の高台だけに目を向けていた避難民の方たちの
見方も変わります。

それから、正直陸前高田のそちこちに農業遊休地があるのです。 現に私の家にも高台近くに
広い田がありますが、私は農業をするつもりはありません。 でも一部の人のために農業地域
として指定されているため、即埋め立て宅地造成は出来ないので、私はそこにどうにかして、
自分や希望者に家を再建したいと思っています。

地方の行政マンに相談すると農業地だからと言ってすぐ実行協力はしてくれません。
多分公務員の慣例でそうなるのです。 問題は、官僚、公務員の政治家の発想力のなさが、
復興を遅らせているひとつの要因でもあるのです。

現在、陸前高田市では地権者の同意を得た山間部の土地を造成して、5,60戸の移転が
点在して決まりつつあります。 その近くには必ずと言っていいほど、役所や病院、公民館や市の
施設がひとつや二つ付帯してあるのです。これは、公務員のための施設(多分予算化しやすい?)
が先にありきで、申し訳程度に住民の移転場所が併設されているのです。

本来、移転住民のための宅地造成が、公務員の職場再建に優先されている結果、こういう
まとまりの無い町作り試案が出来ていると思われます。

このままでは、50年後もう陸前高田市は益々過疎が進み消滅することになると思われます。
陸前高田市の特性をもう少し深く考えて、将来を見据えた復興プランが必要です。
行政には行政の言い分があるのでしょうが、今のままでは、話しになりません。

私はあの広大な海辺の土地に、今、市が誘致している国立防災公園と並んで、壮大な観光資源
作りをしたらいいのかと思っております。どうせ人工で自然の素晴らしさを再現させるのなら、
世界に誇れる人工自然公園を創設したいと思います。

福島の悲劇からも分るように、人間の力だけでは、エネルギーや産業の創設には限りがある
のですから、自然や地球の営みを考慮し、自然の力を利用しながら、自然の再生能力などを
加味し共生した、人工観光資源の創設を目指したらいいとおもうのです。

そこには、近未来の循環型の農業や水産業のありかた、全てオーナー性による安産安心の
食料の供給や本当の意味での余暇の活用が出来る施設と自然の創設。などです。

ゼロからの出発には、何も無いメリットから、何でも出来る可能性があると思います。
もう、慣例にしばりつけられている一部の官僚的発想は、もう終わりにしてほしいと思います。
私にも出来ることがある
私に出来ることは限られていますが、私はSS業界の唯一最大の月刊誌に毎月5000字の
コラムを持っていますので、2-3月は、もし私が復興の責任者だったらどうするのかという
意見をまとめてみたいと思います。
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